「有機超伝導体の量子渦糸状態」
佐々木 孝彦 氏

Oct 02, 2003


講演題目: 有機超伝導体の量子渦糸状態
講 師 : 佐々木 孝彦 氏
     (東北大学・金属材料研究所・助教授)
日 時 : 平成15年10月2日 (火) 16:30-
場 所 : 北海道大学大学院理学研究科物理学専攻 大学院講義室 理学部 2号館 4階 9号室 (2-4-09)

要 旨 :
  酸化物高温超伝導体における渦糸状態の研究により第2種超伝導体の渦糸に関する理解が飛躍的に進歩した.その中でも新しい渦糸相とその相転移が明らかにされてきた.このような渦糸物理は,高温超伝導体にのみ固有ではなくゆらぎの大きい2次元系であれば他の物質系でも統一的に理解,観測されるはずである.さらに新たな物質パラメーターを有する系では新奇な渦糸物理の展開が期待される.有機超伝導体は超伝導転移温度は約10Kと低いが,大きな2次元異方性,低キャリア密度などゆらぎ効果が顕著な系である.また極めてクリーンな電子系を有し,磁気量子振動効果による詳細な電子状態研究が可能な系でもある.このような特徴を有する有機超伝導体の渦糸状態に関する現状をレビューし,最近,我々が見出した「新渦糸状態-量子磁束スラッシュ-」と「渦糸状態での磁気量子振動効果」について紹介する.

世話人  松永 悟明
(mat@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究科

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