「ペロブスカイト型酸化物薄膜の電気・光学的発光の創出と原理の探究」
高島 浩 氏
Nov 13, 2014
日本物理学会北海道支部講演会
講演題目: ペロブスカイト型酸化物薄膜の電気・光学的発光の創出と原理の探究
講 師 : 高島 浩 博士
産業技術総合研究所
日 時 : 平成26年11月13日 (木)
場 所 : 北海道大学理学部2号館211室(2-2-11)
要 旨 :
電気的・光学的発光現象に着目し、ペロブスカイト型酸化物薄膜を作製し発光現象の創出とその物理的機構の解明を行っている。本研究では、紫外線励起のフォトルミネセンス(PL)、電子線励起のカソードルミネセンス(CL)、交流電界発光のエレクトロルミネセンス(EL)で、顕著な発光を得ることに成功した。ELについては交流10Vで発光を開始し、電界に換算すると10000V/cmで発光が開始する。この結果は、従来の報告と比較すると1/100以下の電界で発光が開始することを示している。印加電圧に対する電流と発光の特性を評価し、発光現象の素過程を調べてみると従来の無機ELでは、発光体をコンデンサとした等価回路を用いてホットエレクトロンによる励起・発光過程で、その原理が説明できる。一方、本研究のペロブスカイト型酸化物薄膜では、印加電圧と電流が同相であることが実験的に示され、発光機構の素過程が抵抗成分に支配された発光現象であることが明らかとなった。講演では、発光の原理がホットエレクトロンではなくLEDである可能性について議論する。
世話人 武貞正樹
(mt@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学理学部物理学科 (電話011-706-3484)
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