「薄いキラル液晶セルが発現する特異な秩序構造」
福田 順一 氏
Nov 26, 2015
日本物理学会北海道支部講演会
講演題目: 薄いキラル液晶セルが発現する特異な秩序構造
講 師 : 福田 順一 博士
産業技術総合研究所 主任研究員
日 時 : 平成27年11月26日 (木) 16:30-17:30
場 所 : 北海道大学工学部物理工学系大会議室 (A1-17室)
要 旨 :
鏡映対称性を持たないキラルな液晶は,自発的な配向ねじれ変形などの様々な自己組織的な秩序構造を形成する.その例の1つに,液晶配向の線欠陥が3次元的に配置して数百ナノメートル程度の周期的構造を示す,コレステリックブルー相と呼ばれる秩序相が存在する.本研究では,連続体理論に基づいた数値計算によって,そのようなコレステリックブルー相を示すキラル液晶を,2枚の平行平板からなる薄いセル(ここで言う「薄い」とは,構造の周期程度以下のことである)内での挙動を調べた.その結果,セル表面と液晶配向の相互作用(アンカリング)によって生じるフラストレーションにより,セル内の液晶はバルクのコレステリックブルー相とは全く異なる様々な秩序構造を示すことが明らかとなった.その中には,様々な凝縮系において発現することが明らかとなっているスカーミオン(中心に特異点を有しない渦状の構造)からなる6回対称格子も含まれる.また時間があれば,それらの秩序構造が示す光学的性質(特にどのように光を反射するか)について行なった数値計算についても紹介する。 (参考論文) J. Fukuda and S. Zumer, Phys. Rev. Lett. 104, 017801 (2010); Phys. Rev.Lett. 106, 097801 (2011); Nature Commun. 2, 246 (2011); Mol. Cryst. Liq.Cryst. 594, 70 (2014). The high-pressure technique has been recognized as one of the powerful tools
世話人 折原宏
北海道大学工学部応用理工系学科 (電話011-706-6115)
この記事への返信など
返信の受け入れ状態:
※ひとつまえにコメントされた方のお名前が残っている場合があります。ご注意ください。