「中性子二重スリット実験における量子チェシャ猫 ~ 透明人間それとも幽体分離? ~」
長谷川 祐司 氏
Feb 08, 2016
日本物理学会北海道支部講演会
講演題目: 中性子二重スリット実験における量子チェシャ猫 ~ 透明人間それとも幽体分離? ~
講 師 : 長谷川 祐司 博士
ウィーン工科大学 Atominsitut
日 時 : 平成28年2月8日 (月) 16:30-18:00
場 所 : 北海道大学 工学部 物理工学系大会議室 (A1-17室)
要 旨 :
量子力学は現代技術の基盤理論であり、その予測が高精度に正しいことは多くに実験で立証されたきた。ところが、測定結果にとどまらず、量子系で何が起こっているかといった、量子力学の解釈に関してはいまだに統一的な見解があるとは言い難い。量子力学の予測が確率論的であること、シュレディンガーの猫として知られている逆説的な現象などが、多くの物理学者をも惑わし続けている。今回のセミナーでは、光と違って、貯めたり止めたりすることが可能で、粒子としてイメージしやすい中性子を使った最近の光学実験を紹介する。中性子の干渉とスピンを用いた実験を通して、我々の慣れ親しんでいる世界から直感的には理解しがたい、波動と量子の二重性、不確定性原理、あるいは実在性、局所性や因果律などといった量子力学独特のミスティーに挑戦する。特に、マッハ・ツェンダー干渉計内で中性子とそのスピンがそれぞれのパスに分離する実験を紹介する。この現象は、不思議の国のアリスに出てくる猫にちなんで「量子チェシャ猫」と名付けられている。 “Observation of a quantum Cheshire Cat in a matter wave interferometerexperiment” T. Denkmayr, H. Geppert, S. Sponar, H. Lemmel, A. Matzkin,J. Tollaksen, and Y. Hasegawa, quant-ph/1312.3775, Nature Comm. 5:4492doi: 10.1038 / ncomms5492 (2014).
世話人 丹田 聡
北海道大学工学部応用理工系学科 (電話011-706-6115)
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