「ハイブリッド系による量子情報及びテクノロジー」
久保 結丸 氏
Sep 19, 2019
日本物理学会北海道支部講演会
講演題目: ハイブリッド系による量子情報及びテクノロジー
講 師 : 久保 結丸 氏
OIST
日 時 : 令和元年9月19日 (木) 16:30~17:30
場 所 : 理学部5号館5-205
共 催 : 第265回エンレイソウの会
要 旨 :
量子情報科学の研究分野で蓄積された知見を技術応用しようという気運が世界中 で高まっている.量子による技術は総称して「量子テクノロジー」と呼ばれ,そ の最たる例が量子コンピュータである.Google,Intel,IBM, Microsoftといっ た主要なIT企業がここ数年の間に 量子テクノロジーへの支援を立て続けに開始 しており,量子テクノロジーは次世代社会の基幹技術として非常に注目を集めて いる. 本講演では,講演者が前所属機関(仏サクレー研究所)において実証した幾つか の実験を紹介する.まず,超伝導量子回路とダイヤモンド中の窒素ー空孔(NV) 中心の電子スピンをコヒーレントに結合させることに成功し,スピンと超伝導量 子回路の「ハイブリッド量子系」を実現した [1,2]. 次に,超伝導量子回路の技術をスピン共鳴分光へと応用し,かつてない検出感度 を持つESR分光器を実証した [3].また,緩和時間が長い固体中の電子スピンに おいては観測が極めて困難と考えられていた自然放出現象を観測することにも成 功した [4]. 最後に,現所属機関における研究プロジェクト(スピンを用いたマイクロ波ー光 のコヒーレント変換)の概観及び進捗状況 [5]に関しても簡単に紹介する. [1] Kubo et al., Phys. Rev. Lett. 105, 140502 (2010). [2] Kubo et al., Phys. Rev. Lett. 107, 220501 (2011). [3] Bienfait et al., Nature Nanotech. 11, 253 (2016). [4] Bienfait et al., Nature 531, 74 (2016).
世話人 井原 慶彦
(yihara@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門
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