「密度行列のダイナミクスにおける非エルミート行列の例外点 」
羽田野 直道 氏

Oct 15, 2019


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 放射光X線と中性子散乱の相補利用を通した局所反転対称性のないf電子系 化合物の研究
講 師 : 羽田野 直道 氏
      東京大学 生産技術研究所
日 時 : 令和元(2019)年10月15日(火) 13:30〜
場 所 : 北海道大学工学部A棟 A1-17
要 旨 :
非エルミート系の例外点とは、パラメータ空間において2つ以上の固有値が一致するだけでなく、それらの固有ベクトルも平行になる点です。行列のランクが下がり、対角化不可能でジョルダン標準形に帰着されます。一般にp個の固有ベクトルが平行になってしまう点をp次例外点と呼びます。そこではダイナミクスが通常の場合と異なります。多くの場合、2次元パラメーター空間上では2次例外点が「点」として存在し、3次以上の例外点は、より高次元のパラメーター空間にしか存在しません。ところが本研究[1]のモデルでは、Lindblad方程式の対称性のため、2次元パラメータ空間で2次例外点が「線」を成し、2つの例外「線」が交差する点が3次例外点となることを示します。パラメータの詳細な調整が必要なく、実験的に検出するのに便利な例です。
[1] N. Hatano, Exceptional points of the Lindblad operator of a two-level system, Mol. Phys. 117, 2121--2127 (2019)

世話人 小布施 秀明

(北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門)


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