「高強度テラヘルツ磁場パルスが誘起する非線形スピン応答」
廣理 英基 氏
May 16, 2023
日本物理学会北海道支部講演会
講演題目: 高強度テラヘルツ磁場パルスが誘起する非線形スピン応答
講 師 : 廣理 英基 氏
京都大学化学研究所
日 時 : 2023年4月24日(月)10:30~12:00
場 所 : 北海道大学 工学部 アカデミックラウンジ3
要 旨 :
スピンの非線形超高速ダイナミクスの理解は、基礎科学的な側面からだけでなく、情報伝送・処理・記録用の様々なスピントロニクスデバイスを設計・開発する上でも重要である。典型的な強磁性体ではギガヘルツ領域にスピン歳差振動を持ち、その非平衡状態のダイナミクスがマイクロ波磁場を用いて詳細に調べられてきた。一方、反強磁性体は隣接するスピン間の強い交換相互作用により、より高周波のテラヘルツ(THz)周波数帯に固有モードを持つ。このため、近年THz電磁波と反強磁性体中のスピンとの相互作用が広く研究されている。しかし、これまで反強磁性体のスピンを超高速で制御する研究はほとんど無く、非線形なスピン応答についての理解はほとんど得られていない。本講演では、高強度なTHz磁場パルスの発生、そしてスピンの強励起による高次高調波発生、またTHz磁場パルスによるフロケ状態生成と磁化制御について紹介する。
[1] Seji Kang, Sang Won Seo, HT, and Yong-il Shin, PRL 122, 095301 (2019)
[2] HT, PRL 126, 195302 (2021)
解説記事:プレスリリース(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2021/210524)
[3] HT, PRA 105, 013328 (2022)
解説記事:プレスリリース(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2021/220209)
世話人: 小布施 秀明
(北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門)
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