「μSRと第一原理計算で迫る銅酸化物高温超伝導体の電子スピン状態」
渡邊 功雄 氏
Aug 27, 2024
日本物理学会北海道支部講演会・第298回エンレイソウの会
講演題目: μSRと第一原理計算で迫る銅酸化物高温超伝導体の電子スピン状態
講 師 : 渡邊 功雄 氏
理化学研究所 専任研究員
日 時 : 2024年8月27日 (火) 16:30-17:30
場 所 : 北海道大学工学部 A1-17 (物理工学系大会議室)
要 旨 :
ミュオンスピン緩和法(μSR)は、高感度磁気プローブである素粒子ミュオンを活用して物質の電子状態を解明する。導入するミュオンの停止位置は制御できないため、物質中でミュオンがどのような状態を形成して周囲の電子状態を観測しているかという問題は、実験データからのみでは明確にわからない。近年、この問題に関して凡密度関数法を用いた第一原理計算を活用して解決する研究活動が盛んにおこなわれている。我々は、この世界的な計算科学研究の潮流をリードしてきた。本講演では、この第一原理計算を活用することによって長年解決できなかったLa系銅酸化物高温超伝導体の母物質であり低温で反強磁性秩序状態が発現するLa2CuO4中のミュオン位置を明らかにし、μSRから見た反強磁性秩序状態を定量的に解釈した研究結果に関して報告する。
世話人 市村 晃一
(ichimura@eng.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門
この記事への返信など
返信の受け入れ状態:
※ひとつまえにコメントされた方のお名前が残っている場合があります。ご注意ください。