「磁場角度分解熱物性測定の高度化と物性研究への応用」
橘高 俊一郎 氏

Sep 13, 2024


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 磁場角度分解熱物性測定の高度化と物性研究への応用
講 師 : 橘高俊一郎 氏
      東京大学大学院総合文化研究科
日 時 : 2024年9月13日 (金) 16:30-17:30
場 所 : 北海道大学理学部 5-201
要 旨 :
熱ゆらぎのない絶対零度の量子臨界点近傍では、量子ゆらぎによって新奇な基底状態や低エネルギー励起状態が創出される。こうした現象はしばしば顕著な異方性を示し、外場の大きさだけでなく、外場の方位にも敏感に応答することがある。このような磁場方位の効果を、理論計算可能な熱力学量を用いて追究することで、物性機構の解明に繋がる重要な知見を得ることが期待できる。しかしながら、極低温の熱力学量測定から磁場方位の効果まで詳細に調べた例は多くない。  本講演では、我々が最近取り組んでいる磁場方位制御下での極低温熱物性測定の高度化および物性研究への応用例について紹介する。具体的には、磁場角度分解磁歪測定によるFFLO超伝導相転移の研究[1]や、量子臨界性を特徴づけるための新たな実験アプローチ[2, 3]などについて取り上げ、特徴的な異方性を示す量子現象について議論する。
[1] S. Kittaka et al., Phys. Rev. B 107, L220505 (2023).
[2] S. Kittaka et al., J. Phys. Soc. Jpn. 90, 064703 (2021).
[3] S. Yuasa and S. Kittaka et al., submitted.
世話人 井原 慶彦
(yihara@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門


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