JPS Hokkaido Branch

 

組織
支部講演会
支部会報告

「Band-center metal-insulator transition in bond-disordered graphene」
Soumya Bera氏

Oct 10, 2023


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: Band-center metal-insulator transition in bond-disordered graphene
講 師 : Soumya Bera氏
      インド工科大学ボンベイ校
日時: 2023年10月10日(火) 16:30〜17:30
場 所 : 工学部 オープンホール
要 旨 :
We study the transport properties of a tight-binding model of non-interacting fermions with random hopping on the honeycomb lattice. At the particle-hole symmetric chemical potential, the absence of diagonal disorder (random onsite potentials) places the system in the well-studied chiral orthogonal universality class of disordered fermion problems, which are known to exhibit both a critical metallic phase and a dimerization-induced localized phase. Here, our focus is the behavior of the two-terminal conductance and the Lyapunov spectrum in quasi-1D geometry near the dimerization-driven transition from the metallic to the localized phase. For a staggered dimerization pattern on the square and honeycomb lattices, we find that the renormalized localization lengthξ/M (M denotes the width of the sample) and the typical conductance display scaling behavior controlled by a crossover length-scale that diverges with exponent ν≈1.05(5) as the critical point is approached.

世話人: 小布施 秀明
(hideaki.obuse@eng.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門

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「超伝導空洞の理論とアクシオン・非線形QED探索」
植木 輝氏

Sep 20, 2023


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 超伝導空洞の理論とアクシオン・非線形QED探索
講 師 : 植木 輝氏
      ルイジアナ州立大学
日時: 2023年8月28日(月) 16:00-17:00
場 所 : 北海道大学理学部 2-402
要 旨 :
ニオブ超伝導空洞は非常に高いQ値(Q 〜 1012)を持つマイクロ波共振器であり、当初考えられていた粒子加速器への応用のみならず、仮想電子・陽電子対を媒介とする光子・光子散乱やダークマター候補であるアクシオンとマイクロ波光子との相互作用、高周波重力波などの希少事象を捉えるための検出器として用いられることが期待されている。しかしながら、現在の高いQ値に至るメカニズムは完全には解明されていない。私たちは不純物効果を記述できる非平衡超伝導理論と、空洞に閉じ込められた電磁場に対するマクスウェル方程式を解くスレーターの方法を組み合わせて、Q値と空洞共振周波数シフトを計算する数値計算手法を開発した[1]。周波数シフトとQ値に関する私たちの結果は、FNALのSRFグループが報告した実験データ[2]と非常によく一致しており、GHz超伝導空洞の10 Hzオーダーの共振周波数の変化を定量的に説明することができた。このレベルの予測理論は、量子センシング・量子プロセッサー用デバイスの性能をさらに向上させるために不可欠である。
 近年、2つの共振周波数ω1およびω2の光子を同時にポンプされた超伝導空洞で、周波数ω3 = 2ω12の信号光子を測定することにより、QEDにおける光子・光子散乱とアクシオンを検出する方法が提案された[3]。超伝導空洞の検出器としての動作に不可欠なのは、マイスナー電流によって、3つの共振周波数を持つ空洞内の電磁場を閉じ込めることである。私たちはマイスナー電流における電磁場の関数としての非線形性[4]を利用して、アクシオン場の信号光子を分離する方法を示し、オイラーとハイゼンベルグの仮想電子・陽電子ペアによる光子・光子散乱の予測[5]の新しい検証を行う。


[1] H. Ueki, M. Zarea, and J. A. Sauls, arXiv:2207.14236.
[2] D. Bafia et al., arXiv:2103.10601.
[3] Z. Bogorad et al., Phys. Rev. Lett. 123, 021801 (2019).
[4] J. A. Sauls, Prog. Theor. Exp. Phys. 2022, 033I03 (2022).
[5] W. Heisenberg and H. Euler, Z. Phys. 98, 714 (1936).

世話人: 北 孝文
(kita@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門

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「Selected Two-Fluid Effects in Soft Condensed Matter」
Helmut R. Brand氏

Sep 20, 2023


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: Selected Two-Fluid Effects in Soft Condensed Matter
講 師 : Helmut R. Brand氏
      バイロイト大学
日時: 2023年9月20日(水) 16:00-17:00
場 所 : 北海道大学理学部 2-402
要 旨 :
Key question addressed in this seminar: importance of two-fluid effects on macroscopic and mesoscopic scales in complex fluids. Topics of central importance are immiscibility and velocity differences. Two-fluid hydrodynamics can be applied to materials with two subsystems, which can move relative to each other. The additional macroscopic variables always include the concentration of one component and the relative velocity. The three specific systems covered here are:
1) Smectic clusters in nematic phases: breakdown of flow alignment and sign change of the anisotropy of electric conductivity [1].
2) Clusters above the glass transition in polymer and low molecular weight materials [2].
3) Magnetorheological fluids (MRFs): onset of column formation in magnetic fields [3].


[1] H.R. Brand and H. Pleiner, Phys. Rev. E 103, 012705 (2021).
[2] H. Pleiner and H.R. Brand, Rheol. Acta 60, 675 (2021).
[3] H. Pleiner, D. Svensek, T. Potisk, and H.R. Brand, Phys. Rev. E 101, 032601 (2020).

世話人: 北 孝文
(kita@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門

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「鉄ヒ素超伝導体Ba(Fe_1-x_Co_x_)_2_As_2_における多極子揺らぎによる量子臨界性」
根本 祐一 氏

Aug 03, 2023


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 鉄ヒ素超伝導体Ba(Fe_1-x_Co_x_)_2_As_2_における多極子揺らぎによる量子臨界性
講 師 : 根本 祐一氏
      新潟大院自然
日 時 : 2023年8月3日(木)17:00-18:00
場 所 : 北海道大学理学部2号館 2-211(ハイブリッド)
要 旨 :
BaFe2As2にCoで電子ドープすると,Ts = 140 K付近の構造相転移と反強磁性転移が抑制されていき,Co濃度x = 0.03〜0.12で超伝導を示す[1]。構造相転移の量子臨界点(QCP) x = 0.06付近で最大の超伝導転移温度Tsc = 25 Kをもつ。構造相転移は,フェルミ準位近傍のFe2+ (dy’z, dzx’)の2重縮退軌道がもつ四極子の強的秩序によって発生すると考えられる。自然にQCPでの四極子揺らぎと超伝導との関連にも興味が湧く。これまで,電気四極子を直接観測できる超音波実験が精力的に行われた[2-4]。四極子Ox’2-y’2による構造相転移を示すアンダードープx = 0.036では,Tsに向かって弾性定数C66の巨大ソフト化と,超音波吸収係数a66の発散的増大が観測される。他方,構造相転移を示さず超伝導のみを示すオーバードープx = 0.071では,C66のソフト化が超伝導で折れ曲がって停止するのに対し,alpha66はTscに向かって発散的増大を示した。これを説明するため,2電子からなる電気十六極子Hzaと回転wxyとの結合モデルを導き,超伝導と同時に強十六極子秩序が起きていることを報告した[5]。さらに,QCP近傍のx = 0.06での超音波実験を詳細に行った結果,alpha66はx = 0.071と同様にTscに向かって発散的な増大を示した。得られた緩和時間tの臨界指数z nuは,x = 0.071での平均場的なz nu =1に比べて顕著に大きいz nu = 3で50 K以下の温度依存性を再現した[6]。QCP近傍での臨界指数の特異性は,電子系が担う電気四極子と電気十六極子の量子揺らぎが本質的である可能性を浮立たせている[7]。研究の蓄積がある歪みフォノンと電子系との相互作用に加え,回転フォノンを無視できない量子効果の検証が必要となっており,対称・非対称力学を実証するのに有効な超音波実験による取り組みを進めている。

[1] S. Nandi et al., Phys. Rev. Lett. 104, 057006 (2010).
[2] R. M. Fernandes et al., Phys. Rev. Lett. 105, 157003 (2010).
[3] T. Goto et al., J. Phys. Soc. Jpn. 80, 073702 (2011).
[4] M. Yoshizawa et al., J. Phys. Soc. Jpn. 81, 024604 (2012).
[5] R. Kurihara et al., J. Phys. Soc. Jpn. 86, 064706 (2017).
[6] H. Sato et al., JPS Conference Proceedings 30, 011052 (2020).
[7] A. V. Maharaj et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 114, 13430 (2017).

世話人: 柳澤達也
(tatsuya@cris.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院

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「磁性量子流体のスピン配向性秩序が生み出す新奇な位相欠陥構造」
竹内 宏光 氏

May 16, 2023


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 磁性量子流体のスピン配向性秩序が生み出す新奇な位相欠陥構造
講 師 : 竹内 宏光 氏 
      大阪公立大学・講師
日 時 : 2023年5月16日(火)16:30~18:00
場 所 : 北海道大学 工学部 アカデミックラウンジ3
要 旨 :
スピン1の冷却原子気体ボース・アインシュタイン凝縮には、ネマチック液晶のような配向性秩序をもつ相が存在する。この系の配向性は超流動性にかかる量子位相とスピン自由度が結合することで発現することが特徴であり、これをスピン配向性と呼ぶ。最近韓国の実験グループは、この効果に代表される複合欠陥(渦とドメイン壁の複合体)という構造を直接観測することに初めて成功した[1]。発見当初この構造は非平衡過程で現れる準安定な構造とみなされたが、その内部に局所的な強磁性秩序を有して楕円状の超流動速度場を保持する「量子楕円渦」として安定化することが後に明らかになった[2]。このように複数の異なる秩序状態が共存できる系では、位相欠陥の内部構造や外形が従来のものと異なる多彩な構造が起こり得る。孤立した半整数スキルミオン[3]もその一種である。 本講演では 、スピン配向性と量子流体力学に着眼した独自の視点からこれらの現象について紹介する。

[1] Seji Kang, Sang Won Seo, HT, and Yong-il Shin, PRL 122, 095301 (2019)
[2] HT, PRL 126, 195302 (2021)
解説記事:プレスリリース(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2021/210524)
[3] HT, PRA 105, 013328 (2022)
解説記事:プレスリリース(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2021/220209)

世話人: 野村 竜司
(nomuraryuji@eng.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門

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