「しょっぱい砂糖とスピンの開放」
鹿野田一司氏
Oct 05, 2010
物理学会北海道支部講演会
講演題目: 「しょっぱい砂糖とスピンの開放」
講師: 鹿野田一司氏
東京大学大学院工学系研究科
日 時 : 平成22年10月05日(火) 16:30-18:00
場 所 : 北海道大学工学部A棟 A1-17(物理工学系大会議室)
要 旨 :
二種類の分子が交互に積み重なってできるある種の分子性固体において、中性- イオン性転移という現象が見られる。分子間で電子が移動することによる電子エ ネルギーの損と静電エネルギー(マーデルングエネルギー)の利得が拮抗してい るために、温度や圧力など結晶の環境を変えることにより、"中性状態"と"イオ ン性状態"が入れ替わる現象である。この2つのマクロな状態の入れ替わりが量 子揺らぎとして現れ得ることが、堀内(産総研)十倉(東大)によって指摘され た。私たちの研究室では、この現象を核四重極共鳴という実験手法によって捕ら えることを試みた。この実験方法では、電荷の移動とその揺らぎを高い感度で調 べることが出来る。その結果分かったことが、本題目の意味するところである。
世話人 丹田 聡
(tanda@eng.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門
議事録 平成18年8月18日
Aug 18, 2006
日本物理学会北海道支部支部会日時 2006年8月18日
1.来年度の支部委員
委員長: 村山 茂幸(室蘭工大)
庶務: 河本 充司(北大理)
会計: 三品 具文 (北大理)
会誌編集: 西口 規彦 (北大工)
2.日本物理学会第62回年次大会(札幌地区開催・平成19年9/21~24)の準備状況
について
実行委員長:伊土 政幸(北大理)
副委員長: 根本 幸児(北大理)
北大内スペースの確保
・全学教育の講義室を確保済み
・各部局へスペース確保の働きかけを12月以降(平成19年度スケジュールが
決定後)開始する。文系総合校舎をまとめて確保できると都合がよい。
他大学スペースの確保
・必要に場合によって道工大などのキャンパスを借りる。
*どちらの場合にも比較的高額の使用料が発生する可能性がある。
総合講演会場としてコンベンションセンターを予約(札幌市より援助あり)
・総合講演の後にジュニアーセッションとして一般向けの演示実験を準備中。
アルバイター学生(大学院生が望ましい)50名ほどを確保する。
年次大会開催へ向けて関係者のメーリングリストによる連絡網をつくる。
3.その他
室蘭地区における小中高への出前実験”科学キャラバン”に対して2万円
の財政援助を行う。
以上
「インダクターコアとして用いられるフェライト材料の高度化」
河野 健二 氏
Dec 02, 2004
講演題目: インダクターコアとして用いられるフェライト材料の高度化
講 師 : 河野 健二 氏
(太陽誘電株式会社 総合研究所材料開発部)
日 時 : 平成16年12月2日 (木) 16:00-
場 所 : 北海道大学理学部2号館大学院講義室(2-2-11)
要 旨 :
スピネル型の結晶構造を有する鉄酸化物フェライト磁性材料は、インダクターのコア材として幅広く用いられている材料であるが、近年の電子部品の小型化、高周波化に伴い、フェライト材料の更なる高度化が求められている。
例えば、小型化に伴い、デバイス中の残留応力の影響が顕在化し、デイバス特性を低下させてしまうことが問題になっており、応力に強い材料を開発する必要がある。そこで、我々はフェライトの透磁率が応力に対してどのような振る舞いを示すのかを把握し、これらの知見に基づいた材料開発を行っている。これまでの検討の結果、応力によってフェライトの結晶構造が歪んでおり、応力に対する歪みの振る舞いが透磁率の振る舞いとよく一致することなどが、放射光等を用いた実験から明らかになっている。
また、高周波領域での透磁率特性には、スヌーク限界として知られる特性限界が存在しており、特定の周波数以上では透磁率を得ることができず、今後求められる数百MHz~数GHz帯域で動作するインダクターへの応用上の課題になっている。我々は、フェライトの周波数特性を改善するために、非磁性物質との複合化や、結晶構造が異なるフェライト材料(六方晶フェライト)等に注目した材料の開発に取り組んでおり、これらの材料では、スピネル系フェライトのスヌーク限界を越える特性が得られている。
本講演では、フェライト材料の応力特性および高周波化に対する我々の取り組みについて紹介するとともに、電子部品の小型化、高周波化の流れについても概説する。
世話人 熊谷健一
(kumagai@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学・大学院理学研究科・物理学専攻
「あまのじゃくの創造性 -独創的な光学と電磁気の実験-」
霜田 光一 氏
Oct 22, 2004
講演題目: あまのじゃくの創造性 -独創的な光学と電磁気の実験-
講 師 : 霜田 光一 氏
(東京大学名誉教授)
日 時 : 平成16年10月22日 (金) 15:00-
場 所 : 北海道大学理学部大講堂
要 旨 :
理科教育では、自然科学の基礎教育も科学的素養の教育も必要ですが、創造性の教育も大切です。創造力を培うには、天の邪鬼(あまのじゃく)の精神が有効です。レーザーは天の邪鬼の科学者が発明しました。おもしろいレーザーの実験や、風変わりなモーター、電源も低温も使わない磁気浮上の実験などを実演して創造性について考えましょう
世話人 竹内 繁樹
(takeuchi@es.hokudai.ac.jp)
北海道大学電子科学研究所
"Moderate lattice disorder and electronic ground state properties in U heavy fermion compounds"
Dr. Stefan Sullow
Sep 30, 2004
講演題目: Moderate lattice disorder and electronic ground state properties in U heavy fermion compounds
講 師 : Dr. Stefan Sullow
(Inst. fuer Metallphysik und Nukleare Festkoerperphysik TU Braunschweig, Germany)
日 時 : 平成16年9月30日 (木) 14:00-
場 所 : 北海道大学大学院理学研究科物理学専攻 大学院講義室 理学部2号館(2-11号室)
要 旨 :
The interplay of disorder and electronic correlations represents a central issue of the physics of strongly correlated electron systems(SCES). The properties of SCES are extraordinarily sensitive to small levels of crystallographic disorder. This is attributed to the electronic correlations, which enhance the effect of the disorder. Correspondingly, disorder has been proposed to greatly modify or control the physical properties of SCES in very many cases. However, a thorough understanding of this issue is still lacking. Here, I present a detailed discussion of the effects of moderate crystallgraphic disorder on ground state and electronic transport properties of uranium heavy fermion compounds. For this class of systems disorder effects are particularly prominent, causing highly unusual spin glass, short range ordered or Non-Fermi Liquid ground states. From an experimental point of view, the central tasks are to determine the type and level of the disorder and to assess the influence of the disorder on the physical properties. I will address these questions within case studies on the U heavy fermion systems URh2Ge2, UPt2Si2 and related compounds.
世話人 網塚 浩
(amiami@phys.sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究科